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ならず、また「民営化」によってオンブズマンの管轄権の一部が削られるかもしれず、いくつかの事例では管轄権が、企業オンブズマンに移転されている、ということである。ニュージーランドの首席オンブズマン、サー・ブライアン・エルウッドSir Brian Elwoodは、恐らくニュージーランドは、「オンブズマン」という名称を守るために法律を制定した唯一の国であろうということとともに、オンブズマンという名称の使用を許可するための重要な基準を示している。

 

1−6.

メキシコの国のオンブズマン、ジョージ・マドラッツォJorge Madrazoは、ラテンアメリカ地域について語ったとき、1996年10月の国際オンブズマン協会の理事会に、次のように告げた。すなわち、「この地域を構成している国の一つ一つの特性のために、オンブズマン制度を改良し、オンブズマン制度を十分に運用し、効果があるようにする手段として、新しい、またより拡大された特性を与える必要がある」と述べたのである。多数の事例において、彼が気がついたことは、「人権に対する徹底した配慮、すなわちヨーロッパのオンブズマンの経験とはまったく相いれない法的権限の分野がある、ということを、この地域の諸国は、十分に理解すべきである」ということであった。

33か国からなる地域である、ラテンアメリカ・カリブ海地域では、17の国がオンブズマンを設立し、そのうちの14カ国には国のオンブズマンがある。

 

1−7.

1996年5月7日、キプロスのリマソルで第5回ヨーロッパ・ナショナル・オンブズマンEuropean National Ombudsmen会議が開催されたが、それにはヨーロッパの20か国から集まってきたオンブズマンが参加した。ヨーロッパのオンブズマンによって議論された論題は、他のあらゆる地域にも一様に妥当することがらについてであった。これらの論題には、オンブズマンの役割やオンブズマンの仕事の有効性を確保するメカニズムに関する調査が含まれていた。

 

国連の主催による、モルドヴァでの第2回オンブズマンおよび人権に関する国際研修会Workshopにおいて、モルドヴァの議員は、次のように述べた。すなわち、モルドヴァ憲法の第1次草案では、オンブズマンの条項を設けていたが、その条項は以下の理由で削除された、というのである。

(i)オンブズマンに関する情報不足

(ii)オンブズマン制度が近隣諸国には存在していなかったこと

(iii)ソヴィエトの教育を受けた官僚の抵抗

 

しかしながら、バルト三国、ポーランド、ハンガリー、ロシアにおける〔オンブズマン〕制度、あるいは類似制度の設立に関するより多くの情報が入手可能になるにしたがって、変化が生じた。

 

 

 

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